第76章

アブナー学院長は、目の前に立つ生徒をあらためて見つめた。すっと背筋の伸びた立ち姿。涼やかで、どこか近寄りがたい気配。

(オルドリッチは、本当に娘を大事にしているな)

胸の内でそう嘆息する。こんな重要な件を隠さず伝えている。しかもこの様子では、彼女は最初から事情を知っていたのだろう。

それなのに――学院長がわざわざ呼び出して問いたださなければ、アリシアは今日に至るまで、従魔契約に関することを外で一言も口にしなかったに違いない。父の信頼を、寸分も裏切らずに。

(どうしてうちには、こういう聞き分けのいい子がいないんだ……)

「君の考えは面白い。検討してみよう」

そう言ってアブナー学院長...

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